触媒の魔術・・・
動物の腎臓の中で合成されるアンモニアを、人工で合成して窒素肥料を
作ろうとするのが、空中窒素固定法によるアンモニア合成である・・・。
1908年に、ドイツの化学者フリッツ・ハーバーが発明した・・・。
原料は空中の窒素と水からとる水素であるから無限といえる・・・。
ドイツではこの発明を1913年に工業化することに成功したが、肥料は
つくらず、折から第一次世界大戦の勃発を前にして、軍事目的の火薬製造
に切り替えたのである・・・。
アンモニアは硝酸に変わって、強力火薬になるからである・・・。
人造肥料の硫酸アンモニア(硫安)は、第一次世界大戦の終了した後の1919年、
ドイツのロイナ工場で世界最初の生産が始まり、わが国では、初め外国技術を導
入して生産を始めたが、昭和六年に川崎硫安工場(後の昭和電工)で最初の国産
硫安が生産された・・・。
その陰には、青年技師、横山武一と中村健次郎の二人が、当時、京都帝大に一つ
しかなかったハーバーの論文を頼りに、数年の研究を経た苦心が秘められている・・・。
このアンモニア合成は、まことに魔術みたいなもので、空中からとりだした窒素
と水から分解した水素との混合ガスを、300気圧以上に圧縮をして、500度
の高温にして、微量の白金を触媒として触れさせると、たちまち窒素は水素と化合
してアンモニアになり、触媒の白金は少しも損傷されない・・・。
このような触媒作用は、人体内でも起きている・・・。
食物が消化吸収されるのは、種々な酵素による触媒のためであるという・・・(^^♪
2019年12月03日
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